ガシッ!
「へっ?」
「行こう!」
えーー!!
「…で、こっちに進むと美術室があって…」
「須崎双子の班になれなかったねー」
「そうだね」
同じ班にはなれなかったけど、さっき顔を見て確信した!やっぱり叶斗と夢斗はあの二人だ!本当は班になれたら良かったんだけど…会いたいようで会いたくない。私の黒歴史ー!
「これで案内は終わります。ごめんね?須崎双子じゃなくて(笑)」
「え?いや、先輩も充分かっこよ…いや、かっこいいというよりほんわかしてて、あ、顔はかっこいいですよ!でもどちらかというと可愛かったです!」
「え?…あはは!面白いね、入江さんだっけ?ありがとう」
「いえ、変に口走ってすみません」
恥ずかしー
「じゃあ皆、解散で」
クスクスクスッ
「もう!二人ともいつまで笑ってるの?」
「だって面白くて!」
「むぅ」
「ごめんごめん」
「いいよ、取り敢えず帰ろ?」
ざわざわ
「廊下めっちゃ混んでない?進まないし」
「早く帰りたい~」
「30分ぐらい暇潰しする?中庭でお菓子食べようよ!」
「賛成~!」
モグモグモグ
「二人はさ、いつから仲良しなの?」
「「中学一年」」
「へー!もっと長いかと思ってた」
「なんか入学式で結花を見て運命を感じた」
「すごいアプローチされた(笑)」
「そーなんだ!僕はねー、仲良い子皆別の学校行っちゃったんだー!僕ズボン履いてるから皆話してくれなくて、2人は普通に話してくれて嬉しいよ!」
「それでね~…」
「そろそろ帰ろっか」
「さすがに空いたよね…」
「いや、あんまり変わってないかも…」
「あ!あそこ通れる!」
あおちゃんが指差した先にはコーンがおかれてる。先生たちが置いたようだ。
「いや、コーン置くなら帰るように指導しろよ」
確かに
「じゃあ、通りがけに誰を皆が見てるのかチラッと見て帰ろう!」
「結花!梨花!」
?なんか聞き覚えのある声が…
「遅いぞ!一時間位まってたのにお前ら全然来ない!」
「奏汰!?」
「えっ!何でここにいるの?」
「今日は俺の学校もお前らの学校も入学式兼オリエンテーションの日だからお祝いで遊ぼうと思ったんだ!」
「奏汰私立に行ったんだから周り知らない人だらけなのに友達作んなくていいの?」
「何人か知ってるやつ居たから大丈夫だ!それに、俺の特技は誰とでも話せることだからな!」
確かに…初めて会ったときもそうだったな。
二年前(中学2年の夏)
転校生がやってきた。
「柏木奏汰!特技は誰とでも仲良くなれること!ってことで皆俺と仲良くしてくれると嬉しいよ!これからよろしくな!」
奏汰は誰が見てもイケメンだと思うような見た目だが、近づきがたいなどということはなく、宣言通り直ぐに周りに溶け込んだ。
「なんか柏木ってザ・夏の男って感じなやつだよね」
「あと人懐っこい」
「「わかるー!」」
「あとさ、あとさ、」
「何?」
「私達の学年で1番イケメンじゃない?」
なんて、女子の間でも凄い人気があった。
「ねえ、もしかしなくてもこの人混み奏汰の仕業?」
「ん?そうっぽいな。何人かに声かけられたし。でも、俺だけのせいじゃないと思う。あっちにすげーイケメン二人組が居たから。今は人多すぎて見えないけどな」
「多分須崎双子だろうね。」
「お、知らない人じゃん。初めましてー!俺は柏木奏汰。よろしくな!」
「僕は島崎葵だよ。こちらこそよろしく」
「葵って、、、男じゃねーな、女子?」
「せいかーい!」
「おおー!すげー!一瞬男かと思ったもん」
「あおちゃんの男装クオリティ高いよねー!」
「ちょっと?君たち、遊びに行くならさっさと行こーよ。」
「そうだな、葵も来るか?」
「そうだね、ご一緒させてもらうよ。」
「よーっし!沢山遊ぶぞー!」
「ちょっと!バカみたいなセリフ大声で言わないでよねー!」