〈……る!………ま…もる〉


ん。麗の声がかすかに聞こえる…


俺は今なにをしているんだ?


家に帰る途中で…


そうだ!タオルを押し当てられて……


その後どうなったんだ?


ガバッ


勢いよく目覚めると


外窓のない”いつも”とは違うが


”いつも”と同じ教室にいた


険しげな顔をした麗と


今にも泣きそうな顔をした彰


そして、2-1組のクラスメイトがいた


「クラス全員がここにいるってことか?」


彰「うん。そうみたい…」


ってことは


麗「アイツもいる。


仁科 景(にしな けい)も。」


「そうか」


仁科は、小学校の頃に希羅くんから


いじめを受けて


学校に来なくなり


中学のそのまま....


だから仁科くんを見るのは


今日が初めてになる


彼は、とてもほっそりしていて


今にも折れてしまいそうだが


そのまとっている雰囲気は


どこか希望に満ちていた....


彰「仁科くん....」


彰の弱々しい声は


教室に飲み込まれた