「ちょっと、落ちたら死んじゃうじゃん。しおんくんが落ちたら、あたしも死んじゃうんだからね!」

 そういうとしおんは面白そうな顔をして、「うわぁ、ロマンチックでいいじゃん。それじゃあジャンプするからすこし端によってよ」という。

「いやよおお、犬死になんかしたくないっ!」

「じゃあ俺をちゃんと抱きとめるんだ」

 そういうと膝を曲げ、「せーのっ」と合図しあかねの乗るブランコプターに向かって思いっきり、飛び移った。

「きゃあ!!」

 思わず目をつぶる。ドスンと乗った感触があり、ブランコプターの高度が一瞬、がくんと下がる。おそるおそる目を開けると、しおんの左腕はがっしりとあかねの乗るブランコプターの鎖をつかんでいた。けれども体半身が宙に浮いて揺れていた。

「あわわわわ……」

 あかねはしおんをぎゅっと抱きとめ引き寄せる。しおんは座ったあかねのお尻の左右の隙間に足をかけ、あかねにまたがって立ち乗りしバランスを取った。

 するとしおんが冷静な声で、「大丈夫だよ。だってこれは俺の作戦なんだから」という。

「ひどい、本気であせったんだから!」

「どう、驚いた?」