あかねはそこに向かって「超怖いんだけど! 早く降ろしてよ」とギブアップ宣言をしたけれどしおんは聞く耳持たず、「ここからがお楽しみだよ」とメッセージを送ってきた。そしてあかねから見える地上の景色はどんどん小さくなっていった。
「しおんくんのお母さん、こんなこと了解済みなの?」
スマートウオッチにそう話しかけると「当たり前じゃん」との返事。
「心配なんかしないはずなのに」
「そうだね、心配はしてるよ。だけど未来がなくなったのに、好きなことで心配をして何になるんだ」
ああ、たしかにそれは一理ある。世界が終わるこのときになっても、自分に自信のないあたしはどこかでいまさら何をやっても、っていう気持ちがあった。しおんくんがあたしに告白しても、なんであたしなんか、って思っていた。
だけど違うんだ、これから日が昇り灼熱の地獄が近づいてくる。近い未来にみな死んでしまうなら、あたしはできることをしなくちゃ絶対、後悔する。
これから先は、いつだって今しかないんだ。しおんくんの空の旅についていかなければ、雲の上の朝日を拝むなんてできるはずがない。
「しおんくんのお母さん、こんなこと了解済みなの?」
スマートウオッチにそう話しかけると「当たり前じゃん」との返事。
「心配なんかしないはずなのに」
「そうだね、心配はしてるよ。だけど未来がなくなったのに、好きなことで心配をして何になるんだ」
ああ、たしかにそれは一理ある。世界が終わるこのときになっても、自分に自信のないあたしはどこかでいまさら何をやっても、っていう気持ちがあった。しおんくんがあたしに告白しても、なんであたしなんか、って思っていた。
だけど違うんだ、これから日が昇り灼熱の地獄が近づいてくる。近い未来にみな死んでしまうなら、あたしはできることをしなくちゃ絶対、後悔する。
これから先は、いつだって今しかないんだ。しおんくんの空の旅についていかなければ、雲の上の朝日を拝むなんてできるはずがない。