あかねはしおんの背中を追う。するとしおんは家の裏に回り込む。そこにはあかねの背の高さよりも高い、ビニールシートかかけられたものがあった。

 シートの隙間から見えたのは地面から突き出た鉄パイプだった。

「最近これに凝ってるんだ」

 そういってバサッとシートめくり返す。そこにあったものを見てあかねは素っ頓狂な顔をする。

「へっ、これ……ブランコ?」

 あかねの目の前には、どこの公園でも見かけるブランコのようなものが設置されていた。同じ規格ブランコが二基、吊り下がっていた。

 するとニカッと白い歯を見せて、「よく見てみなよ」といって頭上を指す。

 そのふたつのブランコの真上には四角いアルミの箱があり、その上にはプロペラのようなものが装着されていた。

 そしてしおんは得意気にいう。

「この支柱は充電ドックだ。これは全部、俺が作成したんだよ」

 えっ、ひょっとすると、これ……ヘリコプターみたいに空を飛べるの? メカオタクとは聞いていたけれどこんなの作ってたの?
 で、あたしをこれに載せるつもりなわけ? なんか怖いんですけど……」

 するとしおんは呆れ顔をしてこういう。