「俺にとっても格別だ、今ここにあかねがいるからね」

 そういってしおんは改まってあかねの目の前に立ち、真剣な表情になる。そしてふたたび、あの時の言葉を口にする。
 あかねがけっして忘れることのない、しおんの告白の言葉。

「今、この鐘に誓う。俺は世界が終わるまで、いや世界が終わっても、この目の前にいる末広 あかねを愛するということを」

 胸が熱くなる。そして鼓動が早鐘を打ち、全身がじんわりと麻酔をかけられたように痺れる。ああ、あたしは幸せだ。
 
 あかねは今度こそ、ほんとうに心の底からこういうことができる。

「しおんくん、あたし、しおんくんのこと好きでどうしようもなくなっちゃった。だからたとえ世界が終わっても、しおんくんの手は離さないよ。だってあたしとしおんくんは永遠だもん」

 するとしおんは照れすぎて、ぷっと吹き出すしかなかった。

 あはははは、きみだって中二病だ。

 そういってしおんはあかねをぎゅっと抱きしめ、あかねはしおんの笑顔を胸の中から乙女の瞳で見上げた。