ぱぁん、と脳の奥で何かが飛び散るような音がした。視界が虹に包まれると同時に、身体中が麻痺してくる。あかねはしおんと触れあっている感覚だけを残したまま、意識が深い深い光の底へと追いやられていった。
☆彡
目を覚ますとあかねはふわふわの白い綿菓子のようなものの上に横たわっていた。そしてあかねの顔をのぞき込む、見慣れた優しい笑顔。
「しおんくん……」
そのしおんの表情はすべてが満たされていて、何の心残りもないような柔らかな微笑みだった。
「あかね……」
しおんはそっとあかねの頬を撫でる。あかねはその大きな掌に自分の小さな手をそっと重ねる。それからゆっくりと体を起こしあたりを見回す。
「……雲の上なのね、ここ」
「ははっ、そうみたいだね。あそこに雲取山が見えるよ」
しおんが指をさすほうに目を向けると、雲海の上に小さな山の頂が望めた。その頂きは雲と同じ純白に染まっていた。
「あれ……今、冬?」
そして雲の隙間から地上を見下ろすと、樹氷が立ち並ぶ銀色の世界があった。凍りついた湖も見え、きらきらとした光が舞っていた。
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目を覚ますとあかねはふわふわの白い綿菓子のようなものの上に横たわっていた。そしてあかねの顔をのぞき込む、見慣れた優しい笑顔。
「しおんくん……」
そのしおんの表情はすべてが満たされていて、何の心残りもないような柔らかな微笑みだった。
「あかね……」
しおんはそっとあかねの頬を撫でる。あかねはその大きな掌に自分の小さな手をそっと重ねる。それからゆっくりと体を起こしあたりを見回す。
「……雲の上なのね、ここ」
「ははっ、そうみたいだね。あそこに雲取山が見えるよ」
しおんが指をさすほうに目を向けると、雲海の上に小さな山の頂が望めた。その頂きは雲と同じ純白に染まっていた。
「あれ……今、冬?」
そして雲の隙間から地上を見下ろすと、樹氷が立ち並ぶ銀色の世界があった。凍りついた湖も見え、きらきらとした光が舞っていた。