そう決心してあかねは負けじと言い返す。

「しおんくん、それなんだけどね、どうやらものすごく強い太陽フレアが発生したみたいで、磁気嵐が地球を襲うんですって。
 多分もうすぐその時間。だから電子機器は狂って、お偉いさんご用達の地下にある避難用シェルターは使い物にならないんですって」

「なんだって!?」

 小さく声を上げ、驚きの表情を浮かべるしおん。

 同時に会場中からもその事実を察してざわざわと声が上がる。会場の前席で頭を抱える父の姿がちらっと視界の隅に映った。政府が企てた陰の政策は、崩れただけでなく図らずも皆が知ることとなったのだ。

「それに今、降りかかる磁気嵐は予想外の規模で、人体にもどんな影響が出るかわからないみたいなのよ。
 だから、いっそのこと、このまましおんくんと世界の最後を見たいと思うの、いい?
 だってあたしはしおんくんと最後を迎えるために、この『アズ・ユー・ライク』に出たんだ。きみを犯罪者として指名して。
 でもこれですべての罪は帳消しよね、あたし、『全部裁く』っていたから」

 そしてペロッと舌を出す。