会場はいよいよ白熱してきて、いたるところから「殺せ!」「やっちまえ!」とヤジが飛ぶ。
この炎天下で熱狂している観衆は、世界の終わりを迎え最後にして最も派手な裁きを期待しているのが痛烈に伝わってくる。
立てられた十字架に磔になったしおんは力のない目であかねを見下ろす。
するとキャスターの東堂はナレーションで進行を促す。
「それではこの高槻 しおんくんの命は、末広 あかねさんの手の中にあります。さあ、お好きな裁きを! アズ・ユー・ライク!」
いつもの合言葉が会場に響くと、皆がそれに同調する。
「アズ・ユー・ライク! アズ・ユー・ライク!!」
ひどくやつれている、いつもよりも視線が高い位置にあるしおんの顔を見上げ、あかねは囁くように声をかける。
「しおんくん、あたしの好きにさせてもらうけど、いい?」
しおんは答える。「いいよ、きみに任せる」
するとあかねはテーブルの上にある道具のうち、小さなナイフを手に取った。
そしてしおんのそばに歩み寄ると、まずは両足を縛っている麻縄をそのナイフでぶちぶちと切り外した。
この炎天下で熱狂している観衆は、世界の終わりを迎え最後にして最も派手な裁きを期待しているのが痛烈に伝わってくる。
立てられた十字架に磔になったしおんは力のない目であかねを見下ろす。
するとキャスターの東堂はナレーションで進行を促す。
「それではこの高槻 しおんくんの命は、末広 あかねさんの手の中にあります。さあ、お好きな裁きを! アズ・ユー・ライク!」
いつもの合言葉が会場に響くと、皆がそれに同調する。
「アズ・ユー・ライク! アズ・ユー・ライク!!」
ひどくやつれている、いつもよりも視線が高い位置にあるしおんの顔を見上げ、あかねは囁くように声をかける。
「しおんくん、あたしの好きにさせてもらうけど、いい?」
しおんは答える。「いいよ、きみに任せる」
するとあかねはテーブルの上にある道具のうち、小さなナイフを手に取った。
そしてしおんのそばに歩み寄ると、まずは両足を縛っている麻縄をそのナイフでぶちぶちと切り外した。