照りつける灼熱の太陽の下、プロロロロと砂を踏む音を立てながら一台の小型トラックがやってきて、舞台の前で止まった。

　運転手とその助手席から体格の良い男がふたり、降りてきた。せーのと掛け声をかけそのトラックの後部の両開き扉を開き、その中からガラガラとストレッチャーのようなものを引き出した。

　その上には大きな紫色の布がかけられている。これはテレビで見る、いつもの光景だ。背中から冷たい汗が噴き出る。

「それから裁きを受ける加害者となった男性、高槻　しおんくんです」

　バサッとその風呂敷がめくり取られると、そこには仰向けで銀色の十字架に磔になったしおんの姿があった。手足を麻縄で縛られている。

「あれがかの極悪人、高槻　しおんか……」

　会場からつぶやく声が聞こえる。男達はその十字架を軽々と持ち上げ、舞台の上にズドンと立てた。

「しおんくん……」

　その姿を見たあかねは目に涙を浮かべる。

　そして会場に設置されているテーブルの上にはさまざまな拷問の道具が置かれていた。中には血が乾いて茶色くこびりついたままのものもある。

　それを見てあかねは顔をしかめて口を押さえる。