「……あなた、今度はいったい何を?」

 あたしはできるだけ真剣な顔をして、復讐の信念があるかのような態度を見せた。

「あたしにひどいことをした高槻 しおんを『アズ・ユー・ライク』の番組で裁いて、あたし自身の手で始末したいの。被害者が決められるんだよね? だから高槻 しおんの今までの罪のすべてを、あたしに裁かせてほしいの。
 ……そうでないと死ぬに死ねないもん」

 一聞するととんでもないことを言っているって自分でもわかっている。「処刑する」っていう意味に取れる。
 だけど、これが唯一の方法。しおんくんと一緒に、最期を迎えるための。



 そしてその話はすぐさま父に通り、二日後の「アズ・ユー・ライク」の番組、それも生放送で実現することとなった。父の権力にあかねははじめて感謝の気持ちが湧いた。

 その予告がテレビやインターネットで流されると、『高槻 しおん』という同級生の女子を奴隷にした猟奇的な犯罪者の末路を見届けるため、多くの人が会場に集まった。その中には父や母、そして同級生の姿もあった。文香に拡散のお願いをしておいて良かったと心の中で思う。