青い空は高く澄み、雲一つなく晴れ渡っていた。その空を見上げ、レティシアは小さく息を吐く。
早いもので、本日は聖騎士選抜の第二関門である、勝ち抜きトーナメント戦の当日である。第一関門の突破者は、今年は約二十名強。勝ち抜き式であるため、一試合でも負ければおしまいだ。
上位三名に入れば、栄誉ある聖騎士の称号が手に入るとあって、会場の中は熱気で溢れていた。
その一角で、レティシアはエルヴェの姿を見つけるとそちらの方へと足をすすめる。緊張しているのか、彼は少し硬い表情をしていた。まだこちらには気付いていないようだ。
少しだけ迷ったが、レティシアはぎゅっと拳を握りしめると彼に声をかけた。
すると彼は、すぐに笑顔を見せる。
「エルヴェ」
「レティ、来てくれていたの? ……あ、これ、ありがとう。すごく上手くできていて驚いたよ」
「と、当然でしょ……」
礼を言いながら、エルヴェの手が剣帯に巻かれた「お守り」をそっと撫でた。その手つきがあまりにも——大切なものに触れるかのようだったので、レティシアは顔が熱くなるのを感じる。そのまま、二人の間にしばし沈黙が降りた。
早いもので、本日は聖騎士選抜の第二関門である、勝ち抜きトーナメント戦の当日である。第一関門の突破者は、今年は約二十名強。勝ち抜き式であるため、一試合でも負ければおしまいだ。
上位三名に入れば、栄誉ある聖騎士の称号が手に入るとあって、会場の中は熱気で溢れていた。
その一角で、レティシアはエルヴェの姿を見つけるとそちらの方へと足をすすめる。緊張しているのか、彼は少し硬い表情をしていた。まだこちらには気付いていないようだ。
少しだけ迷ったが、レティシアはぎゅっと拳を握りしめると彼に声をかけた。
すると彼は、すぐに笑顔を見せる。
「エルヴェ」
「レティ、来てくれていたの? ……あ、これ、ありがとう。すごく上手くできていて驚いたよ」
「と、当然でしょ……」
礼を言いながら、エルヴェの手が剣帯に巻かれた「お守り」をそっと撫でた。その手つきがあまりにも——大切なものに触れるかのようだったので、レティシアは顔が熱くなるのを感じる。そのまま、二人の間にしばし沈黙が降りた。