入学式も終わりその後のホームルームも終わり俺は教室で周りの雑談を聞いていた。
「編入生の子、たしか椿なんとかって娘だっけ?可愛かったな」
「編入生代表の子は次点の子と大差をつけてたらしいぞ」
「賢い子だよね」
ガラガラガラ、教室のドアが開く。
「すみません、羽藤柳也先輩はいらっしゃいますか?このクラスにいるとお聞きしたのですが」
そう言って教室に入ってきたのは椿梨夜。
以前のようにきょろきょろした自信の無い感じではなく、しっかりした態度で2つ上の学年のドアを開ける。
すたすたと俺のところにやってくる。
「柳也さん、これから約1年間よろしくお願いいたします」
おい、馬鹿か、その発言だけ聞くと誤解されるだろうが。
案の定、周りの奴らが驚きの表情から明らかに殺気だっていた。
「おい柳也、お前どういうつもりだよ!お前には彼女もいて幼馴染もいてさらに後輩まで毒牙にかけるというのか!!!!!許さねえぞ!!!」
ざわつく教室、変わらない日常にちょっとしたスパイス。
まったくこいつらは俺を退屈させないよな。