「風紀委員会委員長から編入生代表への挨拶。編入生代表椿梨夜、壇上へ」

「はい!」

白鷺学園入学式、私は編入生主席の成績で入学しました。
この学園は中高一貫校のため高等部受験生は編入生と呼ばれる。
普通の学校では委員会の1つのような存在が入学式のステージ上で何かを行うということはないと思います。
この学園だけ特別、それだけの権力を持っているということ。

「編入生代表椿梨夜、ようこそ白鷺学園へ。学園の一員として規律を守り勉学に励み学園生活を満喫することを願ってます」

「はい!」

「(おめでとうざいます、本当に、よくがんばりましたね)」

振り返る、形式だけの挨拶の後に不意をつかれた形でかけられた言葉に思わず涙がこみ上げてくる、だけどなんとかこらえて壇上をおりる。

この学園で一番偉い方からの嘘偽りの無い言葉、本当の言葉。
勉強を教えてくださった方からの労いの言葉。

恩返しがしたい、詩依さんと先輩のために。