「お、来たな、時間ぴったりだ」
「おはよう、梨夜ちゃん。今日は私もご一緒させてもらうからよろしくね」
「あ・・・柳也さんと梨乃さん、おはようございます」
「梨夜ちゃんっていつも夜更かしなのに朝早いんだね」
「夜更かしというかお前が早寝すぎんだよ。杏が言っていたけど昨日だって夜8時には寝てたらしいじゃないか」
「昨日は学園祭で疲れてたんだよ」
「疲れていたって・・・お前は文芸部でもないのに文芸部に入り浸って部員と話していただけだろ」
「そんなことないもん!たこ焼き食べたり、たい焼き食べたりしたもん」
今日は白鷺学園高等部の学園祭2日目。
一般公開の日。
私はお呼ばれされて朝から学園祭に来ている。
「さて、このぽんこつのことは放っておくとして梨夜はどこか見て回りたいところはあるか?」
そう言って柳也さんがパンフレットを渡してくる。
「ぽ、ぽんこつっていったい誰のことかな?ねえりっちゃんぽんこつっていったい誰のことかな?」
「この場にはお前と梨夜しかいないんだから言わなくてもわかるだろうが」
「お二人は本当に・・・仲が良いんですね、羨ましいです」
「ど、どこをどう見たらそう見えるんだ?お前の目は節穴か?まったく・・・」
少し照れる柳也さんと苦笑いの梨乃さん。仲が良くなければこのやり取りは出来ないと思う。本当に柳也さんって素直じゃないと思う。どうして親しい方に素直にならないのかは私にはわかりませんが。