ねえ、あの子、気持ち悪いんだけど。

思っているだけのことがわかるというか。

えぇ、怖い。

近づくのはやめた方がいいよね。


ねえねえ、あの子、休み時間もいつも1人でいるよね。

友達いないのかな。

ちょっと話しかけてみようよ。

やめておきなよ、あの子は勘が鋭いというか気味悪いんだよ。


教室でささやかれるそんなやりとり。

どうしても慣れない。

化け物を見るか腫れ物に触れるかのような扱いはどうしても慣れない。

嫌だよ、こんな場所にはいたくない。

1人になれる場所がほしい。

誰の声も聞こえない私だけだけの居場所。

そうして私は再び教会裏の丘の上に足を運ぶようになりました。


ここは誰の声も聞こえない。

本当に落ち着く。

お婆様とよく来ていた思い出の場所。

私にとって特別な場所。


そして私は思うのです。

これは身の丈に合わない願いを願った者への罰なのでしょう。

罰ならあえて受けましょう。

いつか許される日が来るまで。

許される日が来るのなら。

日常に戻りたい。