コンコン

「2年B組羽藤柳也です、放送で呼ばれましたので来ました」

「お入りください」

「おや、羽藤君待っていたよ、意外と早かったね。走ってきたのかな?廊下は走ってはいけないよ」

「いや先輩、早歩きで来ました。廊下を走ったら鬼姫様に何を言われるかわからないので」

「それもそっか。それにしても帰宅部なのにこんな時間まで学校に残っているなんてな。そっちで拾った子猫ちゃんが首を長くして待っているよ」

「ふぇ、私はあの、その・・・待ってなんか・・・いないです」

「まぁこれは一種の社交辞令みたいなものだから梨夜君は気にしなくていいよ」


「さて、羽藤さん。私は雑務で忙しいので先輩と一緒に梨夜さんに勉強を教えててくださいね」

「俺の学力は知っているだろう、俺が教えるなんて」

「受験勉強ではありますが今は中学校の復習ですから貴方にも出来るでしょう?出来ないというのなら明らかに勉強不足です。この学園の権威にかかわりますから今度わたくしが貴方に勉強を教えても良いのですよ?」

「・・・断る権利はありますか?」

「そんなもの貴方にあるわけないでしょ、この学園の進路実績は風紀委員会の沽券にも関わってきますからね」