そこに大切にしまってあったのは、香織ちゃんの卒業式に渡そうと思っていたペアリングの指輪だ。この指輪には、香織ちゃんとの未来が詰まっていた。そんな未来は訪れることなんてなかったけど。こんなものを見てしまったら、さっきの決意が揺らいでしまう。どうしても、何かモヤモヤしたものが引っかかってる。重なって、引っ掛かりは増していって、どんどん埋もれていく。溺れていく。『思い出は変えられない。だけど、未来は変えられる。』そんな綺麗事だって、僕に言わせたら、『思い出は変わらない。だけど、未来は変わってしまう。』になる。
「明日だって、大切な人との未来は漠然とそこにある気がする。」
僕達が別れた1年後、僕の両親が離婚した時に母がこう言っていた。
僕は君と別れた後、色々なことを知ったんだ。結婚してもその愛が永遠であるとは限らないって身を持って知ったよ。両親の離婚で僕の名字は母の旧姓になった。より愛の大切さを知ったよ。
もう僕は、前の僕じゃないよ。大人になれたんじゃないかな。
日記の最後のページに書き足そう。この決心を。
僕の思い、伝えよう。最後に。もう前に進むから。
「明日だって、大切な人との未来は漠然とそこにある気がする。」
僕達が別れた1年後、僕の両親が離婚した時に母がこう言っていた。
僕は君と別れた後、色々なことを知ったんだ。結婚してもその愛が永遠であるとは限らないって身を持って知ったよ。両親の離婚で僕の名字は母の旧姓になった。より愛の大切さを知ったよ。
もう僕は、前の僕じゃないよ。大人になれたんじゃないかな。
日記の最後のページに書き足そう。この決心を。
僕の思い、伝えよう。最後に。もう前に進むから。