短い春休みに入って、翔平はまた未来を訪ねる約束をしていた。
翔平はその日が来るのを指折り数えて待っていたのだが、その前日になって、未来からLINEが入った。
『ごめんね、翔くん。本当に急で申し訳ないんだけど、明日用事が入って、どうしても出掛けなきゃならなくなりました。だから・・・とりあえず延期にしてもらっていいかな?』
驚いて電話をしても、留守電に繫がるだけで未来が出ることはなかった。やきもきしながら、次の日を迎えても状況は変わらなかった。
午後には恵から電話が入った。
『今日、あんた未来んち、行く予定だったよね?』
「ああ。でも昨日の夜、ドタキャンされた。それっきり、電話もLINEも繫がらないんだよ。」
焦りを隠せず答える翔平に
『そうだったんだ。実は今、私のとこにも電話来て。』
と恵が言う。
「えっ?未来と直接話せたのか?」
『うん。私も友だちと明後日、未来のとこ行く予定だったんだけど、それも延期してくれって。』
「ええ!?」
思わぬ事態に驚きの声を上げる翔平。
「それで未来の様子はどうだったんだ?」
『声は少し元気ないかなって思ったけど、体調が悪くなったのって聞いても、そうじゃないって言うし。とにかく急に忙しくなってしまって、ごめんなさいってそれだけ言われて、切られちゃったんだよ。』
「なんだよ、それ・・・。」
どう考えても、ただ事ではなかった。2人は改めて、未来に連絡を取ろうとしたが、電話はつながらず、LINEは既読にすらならない。仕方なく未来の自宅の家電、更には彼女の母景子にも連絡してみた。
すると景子は出て
『心配お掛けしてごめんなさいね。でもちょっと今、家庭の事情でゴタゴタしてて、詳しいことをお話しできる状態じゃないの。落ち着いたら、必ず未来から連絡させるから、少し時間を頂戴ね。』
とだけ説明してくれた。「家庭の事情」と言われてしまえば、もうそれ以上は何も言えなかった。
それから、待つ日々が始まった。やきもきしながら日々を送っているうちに、あっと言う間に3月は過ぎて行き、たまりかねて翔平は未来のスマホに連絡した。だが
『お掛けになった電話番号は、現在使われておりません・・・。』
というメッセ-ジが耳に入り、翔平は茫然と立ち尽くす。ようやく我に返って、LINEを送ってみるがメッセ-ジは届かず、家電も景子のスマホも例のメッセ-ジが流れるだけ。恵に連絡して、彼女からも連絡してもらうが、当然状況は同じだった。
翔平はその日が来るのを指折り数えて待っていたのだが、その前日になって、未来からLINEが入った。
『ごめんね、翔くん。本当に急で申し訳ないんだけど、明日用事が入って、どうしても出掛けなきゃならなくなりました。だから・・・とりあえず延期にしてもらっていいかな?』
驚いて電話をしても、留守電に繫がるだけで未来が出ることはなかった。やきもきしながら、次の日を迎えても状況は変わらなかった。
午後には恵から電話が入った。
『今日、あんた未来んち、行く予定だったよね?』
「ああ。でも昨日の夜、ドタキャンされた。それっきり、電話もLINEも繫がらないんだよ。」
焦りを隠せず答える翔平に
『そうだったんだ。実は今、私のとこにも電話来て。』
と恵が言う。
「えっ?未来と直接話せたのか?」
『うん。私も友だちと明後日、未来のとこ行く予定だったんだけど、それも延期してくれって。』
「ええ!?」
思わぬ事態に驚きの声を上げる翔平。
「それで未来の様子はどうだったんだ?」
『声は少し元気ないかなって思ったけど、体調が悪くなったのって聞いても、そうじゃないって言うし。とにかく急に忙しくなってしまって、ごめんなさいってそれだけ言われて、切られちゃったんだよ。』
「なんだよ、それ・・・。」
どう考えても、ただ事ではなかった。2人は改めて、未来に連絡を取ろうとしたが、電話はつながらず、LINEは既読にすらならない。仕方なく未来の自宅の家電、更には彼女の母景子にも連絡してみた。
すると景子は出て
『心配お掛けしてごめんなさいね。でもちょっと今、家庭の事情でゴタゴタしてて、詳しいことをお話しできる状態じゃないの。落ち着いたら、必ず未来から連絡させるから、少し時間を頂戴ね。』
とだけ説明してくれた。「家庭の事情」と言われてしまえば、もうそれ以上は何も言えなかった。
それから、待つ日々が始まった。やきもきしながら日々を送っているうちに、あっと言う間に3月は過ぎて行き、たまりかねて翔平は未来のスマホに連絡した。だが
『お掛けになった電話番号は、現在使われておりません・・・。』
というメッセ-ジが耳に入り、翔平は茫然と立ち尽くす。ようやく我に返って、LINEを送ってみるがメッセ-ジは届かず、家電も景子のスマホも例のメッセ-ジが流れるだけ。恵に連絡して、彼女からも連絡してもらうが、当然状況は同じだった。