『あ、そうそう。あのさ、無理だったらいいんだけど、年が明けたら初詣行きたいなあって思って。また湊と瑞穂ちゃんも一緒に。どう?』
「行きたい!けど、どうだろう。一応毎年初詣は家族で行ってるから、変に思われるかも」
『あ、確かにそうだよね。勉強会もしたし、続くもんね』
「うん・・・」
『残念だけど、初詣はやめとこ。その代わり、また試験発表されたら勉強会しない?』
「したい!」
思わず食い気味に言ってしまって、山本くんの少し低い笑い声が耳元で聞こえて恥ずかしくなる。
『了解。楽しみだね』
「うん、楽しみ」
『髙橋はずっと部活?コンクールもうすぐって言ってたよね』
何日か前に少し話しただけのコンクールの話題を覚えててくれたんだ。
「うん、明後日。ドキドキするから考えないようにしてる」
『はは、そっか。緊張するよな。課外も終わったから直接言えないのが残念だけど、頑張って』
そう、2学期はとっくに終わっていて、昨日までは冬休みの課外授業の期間だった。
それも終わって、今日からしばらくは明花とも山本くんとも会えない。