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「せっかくのクリスマスなのにデートの約束とかないの?」
部活が終わって家に着くなり、世那の言葉が降ってきた。
「ないない。あったとしても、行ける訳ないじゃん」
「ま、そうだけど。あ、お母さん今日は向こうに泊まるって。おばあちゃん思ったよりひどかったみたい」
「そっか。早く治るといいんだけど」
昨日の夜、ご飯を食べ終わった頃に家の電話が鳴った。
ちょうど立っていた私が出ると、お母さんの方のおじいちゃんからで、おばあちゃんがぎっくり腰になったそう。
おじいちゃんはもう自動車免許を返納してて病院にも連れていけないということで、お母さんは今日おばあちゃんを病院に連れて行っている。
「晩ご飯はお父さんが何か買ってきてくれるって」
「よかったー」
「那奈は料理できないもんね」
「そういう世那もできないでしょ」
世那は『まあね』と舌をちょっとだけ出して誤魔化してる。