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「じゃあ、お邪魔しましたー」
「那奈ちゃん、山本くん、また来てね」
井上家のお母さんが玄関まで見送りに来てくれた。
「はい。ご飯もごちそうさまでした」
「いえいえ。お口に合ってたらいいんだけど・・・」
おばさんは心配そうに頬に手を当てている。
「すごくおいしかったです!」
食い気味に山本くんが言うと、おばさんは安心したように微笑んだ。
「それならよかった。気を付けて帰ってね」
「俺、那奈送ってくる」
「ばいばーい」
湊は私と山本くんと一緒に外に出て、瑞穂は中から手を振ってくれて別れた。
「じゃーな、山本。気を付けて」
「うん。2日間ありがとう。また明日」
「ばいばい、山本くん」
山本くんはうなずき、自転車にまたがり去っていった。
私と湊も自転車のスタンドを外し、いつものように湊が前を走って私がついていく。