「じゃあ、勉強するとしたら土日にしよっか」

「うん。友達には私から確認して、山本くんに報告するね」


10分くらい自転車を押して歩くと、山本くんは左に、私は右に曲がるところに着いた。


「了解。じゃあ、気を付けて帰ってね」


山本くんはそう言うと、軽く手を振り自転車にまたがり、去っていった。

数秒だけ山本くんを見送り、私も自転車にまたがる。

そういえば、一人で帰るのは久しぶり。

湊と一緒に帰るのが、すっかり日常になってたんだ。


「あ、那奈も今帰り?」


家まであと20分くらいになった頃、タイミングよくバス停に停まったバスから瑞穂が降りてきた。

瑞穂はバスで高校に通ってる。

制服がとっても可愛い学校なんだよね。


「あ、うん。瑞穂もおかえり」

「ただいま。あ、もしかして那奈も今日テスト発表だった?」

「うん。だから部活なし」


瑞穂も部活に入ってて、いつも帰りが遅いって湊が言ってたから、瑞穂も明るいうちに帰るのは久しぶりなんじゃないかな。


「テスト嫌だよねー」


あ、テストの話題が出た今がチャンスかも。