ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー


「那奈、見つけた」


声が聞こえた気がして、振り返ると世那が小走りで近付いてきた。

普段は落ち着いていて大人っぽい感じがするけど、こういうときはちゃんと小学生だなあって思う。


「世那。私のこと探してたの?」

「うん。せっかく来たから、会いたかったもん」


そっかそっか。

世那がたまらなく可愛く見えて、私は思わず世那の頭をなでる。


「おー、世那じゃん」

「あ、湊くん。久しぶり」


そっか、今私たちが話している場所は、湊のクラスの前だった。


「久しぶり。一人で来たの?」


湊はきょろきょろして、私の両親の姿を探している。


「ううん。途中で湊くんのお母さんと会って、話してる」

「あー、まじか。母さんにつかまったか」


湊のおばさんはすごくおしゃべり好き。

だから、一度話し出すとなかなか止まらないんだよね。