泉の熱弁。
「泉の言う通りではあるけど、金曜日は毎週合奏じゃん。私と泉はともかく、那奈は穴開けられないでしょ」
さすが、冷静な未知。
「んー・・・それはそうなんだけど」
頭では分かってるけど、気持ちが追い付かない様子の泉。
私も合唱コンクールの練習には参加したい。
でも、未知の言う通り合奏に穴は開けたくない。
「もしかしたら他のクラスや学年も練習するかもしれないし、明日まで様子見てみよっか」
未知の言葉に、泉の顔が明るくなる。
「うん、それがいいと思う!」
いつもの泉が復活した。
「那奈もそれでいい?」
「うん、もちろん」
私が答えると、未知は安心したように泉を連れて自分の席に戻っていった。