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「あ、おはよー」
自分の席に鞄を置くと、何故か私の席に座っていた明花が顔を上げた。
「はーい、みんな、注目!」
ちょうどそのタイミングで、大きな声が聞こえて私は思わず首を縮める。
声の主は、クラスのムードメーカー、山本くん。
みんな、『何?』『びっくりしたー』と、ざわざわしている。
「明日の放課後、合唱コンクールの最後の追い込み練習をしようと思うので、集まれる人は来てください!」
一瞬、教室がシーンとなった。
え、放課後って、みんな部活とか塾とか、その他の予定とかあるんじゃない?
いくらこのクラスが比較的仲がよくても、さすがにそれは無理があるんじゃ・・・。
一瞬の静けさのあと、再びみんながざわつき始めた。
「那奈、どうする?」
泉と未知が近付いてきた。
実は2人も同じクラスなんだよね。