「分かった。じゃあ、そういうことにしておこう。泉、早くご飯食べて。もうすぐ掃除始まるよ」
未知のおかげで、泉は少しだけ落ち着きを取り戻し、残りのサンドイッチを食べ始めた。
これは大変だ。
泉はどうやら、私と湊が運命の赤い糸で結ばれていると思いたいらしい。
部活は3年の夏まで続くのに、ずっと言われるのは嫌だ。
「ねえ、那奈、ここ教えて」
とっくにお弁当を食べ終わって、英語の課題に取り組んでいた明花は、私に見えるように問題集を広げた。
泉の大声から解放された私の頭の少し冷静さを取り戻し、明花に見せられた問題と向き合う。
あとで、明花にいっぱい愚痴を聞いてもらおう。
泉のことは大好きだし大切な友達なんだけど、さっきみたいなテンションのときはちょっとだけ疲れてしまう。