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「あ、那奈先生」
「みなさん、お祝いありがとうございました」
職場のみなさんから出産祝いをいただいたので、お返しを持ってきた。
「あ、理久くん?」
産休前に同じクラスを受け持っていた真知子先生が、私の腕の中をのぞきこんだ。
「はい。寝ちゃってますけど」
「いいのいいの。かわいー。あ、配るの手伝うよ」
私が玄関まで運んできたダンボールを軽く持ち上げてくれた。
確かに、理久を連れてこれを運ぶのはきつかった。
「上のお姉ちゃんたちは元気?」
「元気すぎです。ずーっと喋ってます」
「あー、イメージできるわー」
真知子先生は何回か八重と双葉に会ったことがあるから。
本当は今日も『八重ちゃんも行く!』『ふーちゃんも行く!』って言われたけど、さすがにみんなの仕事の迷惑になるからお義母さんに留守番をお願いしてきた。