少しの沈黙が流れる。

あー、やっぱり駄目かも。


「山本くん」

「はい」


髙橋が俺の目を見て、目が合った。


「私も、山本くんが好きです。ずっと好きでした。忘れようとしたけど、できなかった。今も好きです」


髙橋は一息で言うと、恥ずかしそうに俯いた。


「はーーーー」


思わず大きくため息をついてしまった。

“安心した”それが今の正直な気持ち。


「よかった。気持ちを伝えたかっただけとか言いながら、不安しかなかったから」

「そんな・・・」


髙橋は言葉に詰まった。

何かを考えるような顔をしている。

でも、これを伝えたい。


「付き合ってくれる?」

「よろしくお願いします」


髙橋が言い終えるかどうかのタイミングで、思わずぎゅっと抱きしめた。

ずっとこうしたかった。

8年越しの想いがようやく実った。

ずっと会えてなかったのに、ずっと会っていたような気もする。