「あの・・・ごめんね」

「ほんとだよ」


髙橋に謝られて、一言返した。


「でも、泣かせてごめん。ハタチのときは同窓会出られなかったから、今日はどうしても来たくて」

「ううん。山本くんに会えると思ってなかったから、うれしい。もう会えないと思ってたから・・・」


髙橋の言葉に、俺は髙橋をじっと見つめた。


「何?」

「転校が決まったときに言ったこと、覚えてる?」


覚えていてほしい。

湊が思っているように、俺と髙橋が両想いなら。


「うん、覚えてるよ」


よかった。じゃあ、ちゃんと言おう。


「じゃあ、ちゃんと聞いて」

「うん」

「俺、やっぱり今も髙橋が好きです。もしかしたら彼氏がいるのかもしれないけど、ちゃんと気持ちを伝えたかった。困らせるだけかもしれないけど、あのときは電話でしか言えなかったから」