「で、断っちゃっていいの?1年の他の子とも仲良くなるチャンスだったんじゃない?」
さっきの会話を聞いていたら、そう思うのは当然だと思う。
「いいんです。私、お母さんに部活に入ること反対されてて、渋々許してもらったんです。それなのに、部活に入った途端に友達と遊びに行くなんて、とてもじゃないけど言えないので」
「そっか、事情があるんだ。でも、もう少ししたらパーカッションでも遊びに行こうね」
そう言うと、奈央子先輩は私の頭の上に左手を置き、ぐしゃぐしゃと動かした。
「あ、ちょっと先輩!」
おかげで私の頭は鳥の巣状態。
奈央子先輩は楽しそうに笑ってて、私の頭を見た美里先輩と楓先輩も吹き出してる。
ま、みんなが楽しそうならいいんだけど。
私は手櫛で髪の毛を直しながら、顔が赤くなっていくのを感じた。