湊は俺の言葉に目をパチクリさせた。
「はあ!?何言ってんだよ」
そして、大きくため息をついた。
「お前も那奈も、本当にそういうのに鈍感だよなー。
俺にはちゃんと好きな奴がいるし、那奈はただの幼なじみ。
あんなだから危なっかしくていつも気にしてるだけ」
そうだったんだ。
てっきり、湊も髙橋のこと好きなんだと思ってた。
だから、俺が引っ越した後に髙橋が付き合うとしたら湊だと思ってた。
「という訳だから、俺に遠慮する必要は全くなし。
絶対受かって、那奈に会いに行けよ」
「うん。ありがとう」
なんか、これで絶対合格できる気がしてきた。
自分にプレッシャーをかけるために、俺は1校しか受験しないことを決めた。
これで駄目だったら髙橋のことをあきらめようとすら思ってた。
だけど、何としても合格しないと。