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着いた。

前に住んでいたところからは電車で2駅。

合格すれば通うことになる大学の最寄り駅。

明日と明後日、俺は大学受験をする。

学科と小論文と面接。

できるだけの対策はした。


「よ。久しぶり」


駅の敷地内にあるベンチに座って手を挙げたのは、よく知っている人物。


「え、湊?」

「え、じゃねえよ。いつこっちに着くか聞いた時点で気付けよ」

「あ、ごめん。そうだよな」


そういえばそうだ。

湊にはしつこく、何時の電車で着くかと志望校を聞かれた。

ほんとは言いたくなかったけど、根負けして言ってしまったんだ。


「ホテルに荷物置いたら、ちょっと話せるか?」


湊は『受験前日に悪いけど』と付け加えた。

俺は了承して、駅の近くのホテルの部屋に荷物を置き、すぐに出た。

湊と近くのファミレスに入り、ボックス席に向かい合って座った。