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「よー、太一。同じクラスになったなー」
3年の始業式。
山瀬と俺は同じクラスになり、清水は隣のクラスになった。
山瀬はいつの間にか俺のことを下の名前で呼ぶようになった。
「だな。よろしく」
「おー。受験生かー。嫌だなー」
「大学決めた?」
確か、前にこんな話をしたときはまだ決めてない感じだった。
「なー、俺、やっぱ太一と同じとこ行ってみたいかも」
まじか。
「やだよ」
「えー、ケチ」
「向こうに行っても、ちゃんと山瀬には会いに行くから、ちゃんと自分が行きたい大学に行けよ」
前に清水から聞いたことがある。
『山瀬って、みんなと仲良くなれるけど、特定の人とあんまり仲良くならないんだよね。
だから、山本が初めての親友って感じ』
だから、多分、俺が自分で言うのもおかしいけど、寂しいんだと思う。