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「じゃあ、行ってきまーす」

「おー、気を付けてなー」


楽しそうに出かける一花の背中を見送り、家の中に戻る。

4か月前、転校したての頃は気分が沈みがちだった一花も、こっちで友達ができてよく出かけるようになった。

今日も、中学校の友達と一緒に初詣に行くらしい。


「あ、太一、スマホ鳴ってたよ」


リビングに入ると母さんが教えてくれた。

俺の顔も見ずに、年賀状の整理をしている。

『〇〇ちゃん、子ども生まれたんだ』『えー、もうこんなに大きくなったの?』と、一人で忙しそう。


「あ、湊からだ」


スマホの通知音の正体は、湊からのLINEだった。

『明けましておめでとう。いつまで那奈のことほっとくつもり?』

と、まあまあ怒ってるな、これは。


「湊くんって、引っ越す前の友達よね?那奈ちゃんって子と同じ」