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「太一先輩、智哉先輩、さようなら」

「おっつー」

「またお盆明けなー」


智哉と一緒に部室を出たところで、後輩に挨拶をされた。

夏の高校野球、県のベスト8まではいったけど、残念ながらその先には進めず。

明日からしばらく部活は休みになる。

吹部もこの前コンクールが終わってもう休みに入るって言ってたから、髙橋を誘ってどこかに行きたい。

もちろん、髙橋のお母さんが許可してくれたらの話だけど。


「じゃ、また」

「うん。じゃあ」


いつものように智哉と別れ、家へと向かう。


「あっつ」


ヘルメットで蒸された頭から滴り落ちる汗をぬぐい、思わず呟く。

お盆前最後の練習は午前中で終わった。

今日は雲一つない快晴で、真上にある太陽は容赦ない光を放っている。


「ただいまー」


玄関のドアの鍵を閉めて振り返る。

ちょうど奥から一花が出てきた。