クラスが離れてしまったのだから、このくらいは行動を起こさないといけない。

恥ずかしくて、キャラとも違くて積極的には動けてないけど、髙橋を好きな気持ちは本気だから。


「あ、髙橋、瀬尾、おはよ」


髙橋が教室の前を通りかかるのを待って声を掛けた。

早く教室に行きたかったのか、俺の気持ちを知ってなのか、瀬尾は髙橋を残して1組の教室に向かった。


「山本くん、2組なんだね」

「そう。離れちゃったね」

「うん。でも、隣だから今までと変わらないよね」


髙橋ならそう言うと思ったけど、ちょっと辛い。

俺は誤魔化すように唇をとがらせた。

髙橋はちょっと困ったような焦ったような顔をしている。


「ほんとにそう思ってる?」

「え?」

「一週間経ってもそう思ってるのかな?」


こうなったらもう、俺とクラスが離れて寂しいって思ってもらうしかない。

その作戦はこれから立てるとして、頑張ろう。