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「あれ、どした?」


部活が終わって家に帰ると、家の前の塀にもたれるようにして瀬尾が立っていた。


「あ、お疲れ。あれから一花ちゃん大丈夫だったかなーと思って」

「それでわざわざ来てくれたんだ。ありがとう」


瀬尾は俺の言葉に小さく頷いた。

瀬尾も、中学のときに一花と同じように嫌がらせを受けていた時期があるから、気になるんだと思う。


「あー、落ち込んではいるけど、今日も学校行ったよ」


今日が終業式だって言ってたから、多分もう家に帰ってるはず。


「呼んでこようか?」


多分、直接一花の顔を見た方が瀬尾は安心すると思う。


「あ、ううん。あ、ローファーはあげるって言っといて」

「え、いいの?」

「うん。私にはもう小さいし、今履いてるローファーがあるから大丈夫」

「そっか。ありがとな」

「いえいえ。じゃあ、またね」

「おー」


瀬尾は俺に背中を向けて歩いて行った。