「じゃあ、次ね。なんて呼ばれたい?」


今度は私の番なんだ。

でも、答えは決まってる。


「私も、下の名前で呼んでほしいです」

「だよねー」


私が言い終わるか言い終わらないかのタイミングで美里先輩が言った。


「もー、那奈ちゃんって呼ぶことしか考えてなかった」


楓先輩が言うと、美里先輩と奈央子先輩がうなずいた。

そのあとは、好きな食べ物や好きなキャラクター、出身中学がどこかとかの話で盛り上がった。

ちなみに、楓先輩は私が卒業した中学に、1年間だけ通ってたらしい。

1年生の頃だから、私はまだ小学生で知らなかった。

小中のメンバーは基本的に同じだけど、小学校は別の学校だったらしいから。


「じゃあ、練習しよっか」


美里先輩の一声で4人同時に立ち上がり、私と美里先輩は基礎練習を、楓先輩と奈央子先輩は楽器の準備を始めた。