ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー
「さーむいなー」
「だな」
2学期も今日で終わり。
終業式だった今日は、いつもよりも早い時間に部活が終わり智哉と帰宅中。
自転車を押しながら音楽室がある校舎の前を通ると、まだまだ合奏している音が聞こえている。
「髙橋とどっか行ったりすんの?」
吹部の音が聞こえたからか、智哉が言った。
「何で?」
「クリスマスだし」
「いや、クリスマスでも付き合ってないし」
「付き合うためにクリスマスに出かける奴もいると思うけど」
確かに。
でも、今告白しても困らせるだけだと思うんだよなー。
俺も大概だけど、髙橋もそういうの慣れてなさそうだし。
「ま、いいけどさー、他の奴に取られないようにアピールだけはしとけよ。髙橋は気付かなさそうだけど」
確かに。
髙橋は鈍そうだもんなー。
「じゃ、また明日な」
正門を出て俺は右、智哉は左だからすぐに別れた。