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「ほんとに来た」
土曜日の朝10時。
『井上くんが駅まで迎えに行ってくれるって言ってたから、10時に駅まで来てね』と髙橋に言われてたから、髙橋の地元の駅にちゃんと10時に着くように来た。
「おはよう。お世話になります」
ちょっと嫌そうな顔の井上。
うーん、付き合ってはないって言ってたけど、こいつが髙橋のこと好きな場合は十分あり得るよな。
「行くぞ」
「はーい」
自転車で進む井上の後ろを、同じく自転車をこいでついていく。
髙橋って結構遠いとこから通ってきてるんだな。
「ちょっと寄ってっていい?」
駅を出発して少ししたところにあるコンビニ前で、井上は自転車を停めた。
「うん」
俺も井上の自転車の横に自分の自転車を停め、コンビニに入る。
井上は慣れた手つきで籠を取り、適当にお菓子を入れていく。
「あ、なんか好きな飲み物ある?」
飲料コーナーに行くと、俺に訊いた。
「あー、じゃあこれ」
「ふーん。後で割り勘だからな」