「ま、変なことになるのは嫌だから手伝いはしないけど応援はしてるから、頑張れ」
智哉はそう言うと俺の背中を軽く叩き、おにぎりを頬張った。
頑張れって言われてもなー。
中1のとき以来、恋愛とは無縁だったからどうすればいいのか分からないんだよな。
あのときは告白されて付き合って、だんだん好きになったけど、俺が誰とでも仲良くするのが辛いって言われてふられたし。
自分から好きになるのって初めて。つまり初恋ってこと?
ってか、やっぱり俺は髙橋が好きなんだ。
井上とも付き合ってないって言ってたし、今のところ仲の良さそうな男子はいなさそう。
だけど、髙橋は女の子っぽくて可愛いし、他の男子にとられる可能性だって大きい。
髙橋が誰かと付き合うなら、俺であってほしいなー。
どうにかこうにか頑張ってみるか!
決意を固めた俺は、母さんが作ってくれた卵焼きを頬張った。