「えー、何それ。他の女子の扱い雑じゃない？」
真面目に言ったのに、瀬尾はすごい笑ってる。
「まー、でも分かる気がする。静かで丁寧で女の子っぽいもんね」
「だな」
「あ、ほらまた」
「いや、そんなつもりじゃないって」
瀬尾にニヤッと笑われ、慌てて否定する。
「同じクラスだし、仲良くなれるといいな」
「うん。泉もいるしね」
俺の言葉に、瀬尾は迷わず頷いた。
瀬尾と髙橋さん、タイプは全然違うけど仲良くなれそうな感じはする。
「あー、木村？あいつは髙橋さん苦手そう」
「それは私もちょっと思ったけど、私がいるし」
瀬尾が胸を張ったから、俺は思わず吹き出した。
『何で笑うの？』と不満そうな顔をした瀬尾に、俺はまた手を合わせて謝る。
「瀬尾がいれば髙橋さんも安心だなーと思って」
「当然でしょ」
「だな。あ、じゃあ、おばさんによろしく」
「うん。またねー」
瀬尾が家の中に入るのを見届けてから、俺も自転車にまたがった。
