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「智哉、俺図書館寄ってから行く」
「了解!遅れんなよー」
放課後、俺はエナメルバッグを肩に掛けながら智哉に言い、教室を出る。
朝読書の時間に読む本を今朝読み終わったから、新しい本を借りないと。
図書館に近付くにつれ、人気は段々少なくなっていく。
向こうから歩いてきた男子が、俺の前を歩いていた女子に話しかけた。
女子が男子の方を振り返ったのを見て、髙橋だって分かった。
まあ、別に気にすることもないし横を通っていけばいいか。
「吹奏楽、興味ない?」
「興味ない訳じゃないけど・・・」
男子の名札をチラッと見ると、同じ1年みたいだ。
部活の勧誘ね。
吹部って人気ありそうだから勧誘なんて必要なさそうだけど、意外とそうじゃないのかな。
でも、髙橋が男子と普通にしゃべってるのって、ちょっとびっくりしたかも。
女子とも打ち解けるのには時間がかかるみたいで、まだ近本としか一緒にいるのは見たことない。