早速、南先輩に連れられて、パーカッションが練習している音楽室の後方に向かった。
確かに、想像しているよりも人数が少ないかも。
名札の色を見ると、2年生が2人と3年生が1人みたい。
「パーカッションのみんな、朗報でーす」
楽器を並べていた先輩たちは、南先輩の言葉に顔を上げ、こっちを向いた。
「パーカッションに、待望の1年生がやってきました!」
そう言うと、南先輩は両手を私の方に向けて、ひらひらと動かした。
ちょっと恥ずかしい。
「え、莉沙、ほんとに?」
青色の名札をつけた先輩が、目を丸くして言った。
「ほんとほんと。しかも、パーカッションがしたくて入ってくれたんだって」
なぜか南先輩が得意そう。
「よかった!ありがとね」
心の底から安心した表情で、青名札をつけた3年の先輩が言った。
私は言葉が出てこなくて、ただ首を横に振る。