時計をちらりと見た葉月先生は、慌てて靴箱の方に歩いて行った。
私も鍵を返して帰ろう。
今日は週の中日の水曜日。
私的には一週間で一番しんどい日なんだよね。
「お先に失礼しまーす」
職員室の入口で挨拶をし、靴を履き替え自転車置き場に向かう。
4月の夜はまだまだ肌寒く、少し身震いして、自転車にまたがった。
今日はスーパー寄って帰らなくてもいいかな。
昨日作ったおかずがまだ残ってるもんね。
まずお風呂に入ってからご飯を食べようかな。
「おかえり」
「・・・え?」
ぼけーっと考え事をしながらアパートまで帰ってきた。
自転車置き場には何故か山本くんの姿があった。
「おかえり」
「あ、た、ただいま。え、何で?あ、連絡もらってた?」
慌ててスマホを確認しようとすると、『違うから』と手を止められた。
「サプライズ。誕生日おめでとう」
今日って・・・4月21日。
そっか、私の誕生日だった。