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「あ、那奈先生、お疲れ様」


教室の鍵を閉めて職員室に入ろうとすると、ドアが開いて葉月先生が出てきた。

学年が変わって葉月先生は他学年の担当になったけど、今でも顔を合わせると話す間柄。


「お疲れ様です」

「みんな元気にしてる?と言っても、毎日顔は見てるんだけど」

「元気ですよ。ともくんが時々、はーせんせって言ってます」

「きゃー、可愛すぎる」


葉月先生は体をくねらせて悶えている。

昨年度私と葉月先生が担任を務めた3人は、私が持ち上がった。

低学年は成長の幅がすごく大きくて、毎日できることが増えていてびっくりさせられる。


「あ、そうそう。かおちゃんはトイレほぼ完ぺきです」

「うっそー、すごいじゃん!」


葉月先生が拍手をしてくれると、私もすごくうれしいし、かおちゃんにすぐに伝えたくなる。


「あ、時間まずいんだった。ごめんね引き止めて。じゃあ、お疲れ様」