「うん、知ってる」


瞬先生は優しく微笑み言った。


「最近の那奈先生、顔が明るいもん」

「え、前は暗かった?」

「ううん。前も明るかったけど、どこか影があった」


そうだったんだ。

だから余計に、瞬先生は勘づいたんだんだ。


「結婚するときは教えてよ」


瞬先生はニヤッとして言った。


「うん。できるかどうか分からないけど、することになったら絶対知らせる」

「楽しみに待ってまーす。じゃあ、ありがと」


クリスマス集会の資料を軽く持ち上げ、瞬先生は教室を出て行った。

私って、ほんといい人たちに囲まれてるなあ。

周りにいる人たちのことを頭に思い浮かべながら、明日使う教材の準備に再び取り掛かる。

瞬先生はクリスマス集会に向けて動いているけど、まだ少し先の話。

今は“おまつり集会”に向けての準備中なんだよね。

各クラスオリジナルのおみこしを作って、練り歩きを行う。

可愛くてかっこいい、みんなが好きなおみこしを作ろうね。