「付き合ってくれる?」
心配そうに言う山本くん。
私の答えは決まってる。
「よろしくお願いします」
私がぺこりと頭を下げると、ぎゅっと抱きしめられた。
力強く、でも優しい。
ずっと会えてなかったのに、ずっと会っていたような気もする。
「でも、何で連絡くれなかったの?大学こっちに戻って来てたって未知に聞いたよ」
「あー・・・」
私が尋ねると、そっと私を離した山本くんは気まずそうに頭をかいた。
「スマホ変えたら、髙橋の連絡先消えて・・・」
「えー、そんな理由!?湊とは連絡取ってたんでしょ?」
「まあ・・・」
そんな理由で9年間も寂しい思いをしていたのかと思うと、ちょっと腹が立つ。
でも、こうして再会して、自分の本当の気持ちに気付くことができたから許してあげようかな。