「はい、了解です。じゃあ、基本はそれぞれの教室だけど、自由に過ごしてくださーい」
浅海くんに言われ、私と未知は泉と別れた。
少し歩いて未知とも別れ、私は1組の教室に入る。
そこには、10人ほどの人が集まっていた。
私が入ると『髙橋さん!』『おー、髙橋、久しぶり!』と、みんなが声を掛けてくれた。
私、そんなに目立つ方じゃなかったのに、みんな覚えてくれてたんだ。
なんだかうれしくて、私も『みんなも久しぶりだね』と輪の中に入った。
未知や泉、明花とクラスが離れ、湊も違うクラスで、仲のいい友達がいなかった3年1組。
だけど、今思えば全然寂しくないし、居心地も悪くなかった。
それは、みんなが優しかったからなんだ。
“一人でいる人を作らない”感じのクラスだったから。
私、最後の学年がこのクラスで本当によかった。